ディアスポラのネタばれ有り。注意。




http://d.hatena.ne.jp/ita/20071115/p1 を読んで自分も考えてみた。


「絨毯内の世界」から見て、「ワンの絨毯」の既にタイルが確定している部分は「過去」に相当して、「ワンの絨毯」の成長している最外辺が「現在」に相当している、と見た場合を考えてみる。
そうすると、絨毯世界全体としては決定論的でも、絨毯が成長しきってしまう、つまり、計算してみる(!)までは、たとえ絨毯を外から眺めている人から見てすら、未来はまだ不明。
そして、絨毯が成長できるスペースと栄養等がある限り(※1)「現在」は止まらないので、スペースがあればあるだけ、「絨毯内の世界」の住人が何かに気付く可能性は高まる(多分)。


問題は、「現在」に立っている人たちは最外辺に居て、「過去」からはどんどん遠ざかっているので、運良く誰かが「タイルのミス」を発見したとしても、それを後から検証可能なのかどうかが極めて怪しいように思える事(検証するとしたら、カミオカンデみたいなのを作る事になる?(※2))。とは言え、「何かTOEでは判別できないものも稀に存在する」ぐらいには認識されるかも知れない。
そして、TOEを導き出すぐらいに中の人が発達しているのなら、(TOEとは関係無しに)ただ単に類推して「外の世界はおそらく存在する」という結論を出す人も出てきそうな気はする。
ただ、内側から「外の世界が存在する事の証明」を行う事自体は不可能だとは思う(※3)。


ちなみに、この考えは、「ワンの絨毯」の最外辺だけしか見ない場合でもチューリング完全になるのかどうか、という基本的なところが未検証(※4)。


追記:
もう一度、ディアスポラの該当部分を再読して、怪しい部分を考察し直してみた。

  • ※1 ワンのタイルの敷き詰めは、(どういう仕組みかは不明だが)作中では停止しないようなので、敷き詰め方針をミスって詰む、という状況は除外できるっぽい。多分。
  • ※2 最外周の一次元世界の一部に「タイルのミス発見の為のエリア」を作るという事。そのエリアを特定のパターンで埋め、そして時間を経過させ、運良く該当エリア内にタイルのミスが発生するかどうかを観察する。運が悪ければどんなに待っても何も起こらないが、運が良ければ「(外)世界の構造由来の*不備*」が起こるかも知れない。
  • ※3 ディアスポラ本編でも同様の表現が何箇所か出てきていた。
    • 結局、ヤチマ達は「証明」する前に「外世界へのアクセス」を実現させ、それをもって「外世界の存在の証拠」としてしまった気がするので、結局、「内側からだけでは無理」なのは確かだとは思う。
  • ※4 ワンのタイルをチューリングマシンにする場合でも、タイルの成長方向を時間軸に使っているので、今回の場合もチューリング完全と見ていいっぽい。